ゲームを一巡した人向けの補足です
① なぜ「現金 − 利益」なのか(引き算の向きの話)
- 欲しいもの(目的地)=現金の動き。手元にあるもの(出発地)=利益。
- 東京から大阪への移動距離が「大阪 − 東京」であるのと同じで、目的地から出発地を引く。
- 式:
現金 = 利益 +(現金 − 利益)
右辺を展開すると利益が消えて現金だけが残る。式として当たり前で、暗記するものではない。
- 補足:直接法から間接法を作るなら向きは逆(利益 − 現金)になる。向きは「どっちからどっちへ行くか」だけで決まる。
② なぜその差額を足せば正しくなるのか(1件ずつ見れば当然)
- 給料の例:利益への影響 −120/現金の動き −110/ズレ =(−110)−(−120)= +10
- 「利益は120減ったが、財布は110しか減っていない。だから10戻す」——1件なら誰でも納得できる。
- 取引を全部足しても関係は壊れない:
営業CF = 当期純利益 + ズレの合計
- 間接法の「調整項目」とは、1件ずつのズレを科目ごとにまとめて並べただけ。特別な理屈は1つも入っていない。
③ ズレの正体=現金以外のB/S科目の増減(本丸)
- 出発点:
現金 + 現金以外の資産 = 負債 + 資本
- 1年間の増減で書き直す(資本の増加=利益):
現金の増減 + 現金以外の資産の増減 = 負債の増減 + 利益
- 現金について解く:
現金の増減 = 利益 − 現金以外の資産の増減 + 負債の増減
- ここから符号ルールが自動的に出てくる:
- 現金以外の資産が増えたら引く(売掛金+40、在庫+30、前払費用+5)
- 負債が増えたら足す(買掛金+20、未払給与+10)
- 減価償却50も同じ:固定資産という資産が50減ったので、マイナスのマイナスで +50
- 検算(このゲームの数字):利益 +215/現金以外の資産の増減 −60(売掛金+40、在庫+30、前払+5、固定資産−135=減価償却50+売却で出た帳簿価額85)/負債の増減 +30(買掛金+20、未払給与+10)
| 項目 | 金額 | 内訳 |
| 利益 | +215 | 当期純利益 |
| 現金以外の資産の増減 | −60 | 売掛金+40、在庫+30、前払+5、固定資産−135(=減価償却50+売却で出た帳簿価額85) |
| 負債の増減 | +30 | 買掛金+20、未払給与+10 |
現金の増減 = 215 −(−60)+ 30 = 305
実際の答え:営業CF 205 + 投資CF 100 = 305 で一致
まとめ1文:「営業CFは『現金の動きの合計』、利益は『P/L科目の合計』。取引ごとに両者はズレるが、複式簿記の構造上、そのズレは必ず現金以外のB/S科目の増減として帳簿に残っている。だから利益にそのB/S増減を足し引きすれば、現金の動きに戻る。それが間接法。」